そのキャラの元ネタを知れば絶対好きになる!
実在の名所や、豆知識と共にFate/Grand Orderに登場するキャラのモデルとなった人物を紹介していきます。
きっとそのサーヴァントがどういう人物だったのか知れば、辛い攻略も周回も楽しくなるはずです!
今回は『Fate/EXTRA』における「ライダー」、フランシス・ドレイクです。
※この記事は、筆者が本やインターネットを使って独自に調べてまとめたものであり、型月的、学術的に必ずしも正しいとは限りません。暇つぶし程度にお読みください。
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どんな人?
16世紀に活躍したイギリスの海賊、航海者。
農民の息子から市長、イギリス海軍提督にまでなった人物。
Fateでは女性ですが、上の銅像の写真を見てもわかるとおり、史実では男性。
なぜFateでは女性になっているのかは不明ですが、設定上は「誰も女として見てなかったから後世に男として伝わった」ということになっています。(あんなおっぱいしてて後世に男として伝わるのは無理があると思う)
便宜的に「海賊」とされるドレイクですが、正確には海賊ではなく「私掠船」の船長です。
私掠船(しりゃくせん)とは、政府からの正式な許可を得て、敵国の船などを襲って略奪行為をする船のことです。
一般的な海賊のイメージとは違い、犯罪ではなく合法です。(とはいえ、たまには敵国以外の船を襲うという非合法なこともしていたようですが)
人を襲って略奪をするという海賊と同じような行為を行っていたので海賊と同一視されることも多いですが、政府が海軍の戦力を補うような目的で許可を出していたので、どちらかというと「海の傭兵」に近いイメージです。
「ワンピース」の「王下七武海」みたいな感じです。
なんで有名なの?
マゼランに次いで世界で2番目の世界一周。
当時「無敵艦隊」と言われたスペイン海軍を破る。
という2つのエピソードで有名です。
特にイギリスにおいては、国家に多大な貢献をしたため、英雄扱いされています。
逆にスペインでは、海賊行為を行った悪党「エル・ドラゴ」として有名です。
有名なエピソード
世界一周
人類で初めて世界一周をしたのは誰か?と聞かれれば、ほとんどの人が「マゼラン」と答えるのではないでしょうか?
たしかに最初に世界一周を達成したのはマゼラン一行ですが、肝心のマゼランは途中で戦死しています。
そのため、実質的にはドレイクが世界初ということになります。
Fateにおいて、人類史のターニングポイントになった英雄に与えられるという「星の開拓者」というスキルが、マゼランではなくドレイクに付与されているのはそのためです。
マゼラン一行は、西回りの航路を発見するために、世界一周の旅に旅立ちましたが、ドレイクの動機は全く違います。
私掠船時代の海賊のイメージが強いドレイクですが、私掠船の船長として活躍する前は、商人でした。
イギリスのデヴォン州で、農民の家の12人兄弟のひとりとして生まれたドレイクは、10歳のころから近所に住む船長のもとで、船乗りとして働き始めます。
しばらくすると、奴隷商人で従兄弟のジョン・ホーキンスの船で、奴隷貿易に従事します。
現在では違法の奴隷売買ですが、当時はまっとうな職業でした。
途中で自分の船を手に入れますが、独立することはなく、ホーキンスの船団の一員として、奴隷商人を続けました。
しかし、ある時の航海で嵐に会い、船団の船が破損。
修理をするために、メキシコにある「サン・フアン・デ・ウルア」という要塞の近くの港に入港します。
ところが、当時のメキシコはスペインの植民地。
運悪くスペインの艦隊も入港してきました。
以前からスペイン領で密貿易のようなことをしていたため、スペインに目を付けられていたホーキンスは、武力衝突はしないようスペイン側と約束をします。
しかしスペイン側は、約束をしておきながら奇襲をしかけ、ホーキンスの船団は壊滅。
ホーキンスとドレイクの船だけが、命からがら逃げ切り、他の船員たちは殺されるか、捕まって奴隷にされました。
ドレイクは、このときの屈辱を決して忘れることなく、復讐心を胸に抱き続けるようになります
スペインへの復讐を果たすため、奴隷商人だったドレイクは、私掠船の免許を取得します。
そして、次々とスペインの船や領土を襲い、多大な成果を上げました。
しかし、復讐心の収まらないドレイクは、世界一周をしながらスペインの船と領土を襲う計画を思いつきます。
そう、ドレイクの世界一周の動機は「スペインへの復讐」だったのです。
女王エリザベス1世から許可を得たドレイクは、表向きは友好国であるスペインにバレないようにエリザベス1世や貴族たちから密かに出資を受け、世界一周の旅へと旅立ちます。
世界復讐旅行の始まりです。
途中で遭難し、南米大陸と南極大陸の切れ目である「ドレーク海峡」をたまたま発見したりしながら世界復讐旅行を続けるドレイクは、ペルー沖にて大きな獲物に遭遇します。
カカフェゴ号という名のその船は、ペルーで採掘した銀をスペインへ運ぶ途中でした。
大量のお宝を積んだスペインの船、という絶好の獲物をドレイクが見逃すわけがなく、攻撃をしかけ、捕獲します。
船には銀の他にも財宝が積まれており、現在の価値にして50億円以上という莫大なお宝を手に入れます。
その後も、船や町を襲いながら太平洋を横断。
アジアで、当時とても高価だった香料を大量に手に入れ、イギリスへと帰国します。
世界を一周し、イギリスに帰国したドレイクが持ち帰った財宝の金額は、60万ポンド。
これは、当時のイギリスの国庫歳入をはるかに上回るとんでもない額で、出資者であったエリザベス1世には、このうちの30万ポンドが献上されました。
イギリスに莫大な富をもたらしたドレイクは、エリザベス1世からイギリス海軍中将を任命されるともに、「ナイト」の称号を授けられ、「サー・フランシス・ドレイク」となりました。
しかし、スペインから見れば大悪党であるドレイクに称号を与えたことにより、イギリスとスペインの関係は悪化していきます。
この時エリザベス1世に献上された30万ポンドが、のちにかの有名な「東インド会社」へ、そして世界の覇権を握る大英帝国へと繋がっていきます。
アルマダの海戦
世界一周の成果により、女王に大いに気に入られたドレイクは、女王に「わたしの海賊」と呼ばれるほどの信頼を得ます。
一時は陸でプリマス市の市長をしていたドレイクでしたが、イギリスとスペインが戦争に突入したことにより、「わたしの海賊」はまた海に出る事になります。
イギリス海軍とスペインの無敵艦隊が戦った「アルマダの海戦」では、ドレイクはイギリス海軍副司令官に任命されます。
初めのうちは、完璧な陣形を組む無敵艦隊に押されますが、陣形を組むために密集していることに目を付けたドレイクたちイギリス海軍は、火船作戦を実行。
大砲に弾を込めた状態で、タールを染み込ませた燃えやすいものと火薬をパンパンに詰めた船を横一列に並べて火を付け、無敵艦隊のド真ん中へと突っ込ませました。
この三国志でも誰かやっていたような作戦は、無敵艦隊を倒すことはできませんでしたが、大混乱させることに成功。
イギリス海軍を勝利へと導くことができました。
このアルマダの海戦で無敵と言われた艦隊を破ったことで、世界の覇権がスペインからイギリスへと移る遠因となりました。
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関係する事柄
黄金の鹿号(ゴールデンハインド)
ドレイクが世界一周の際に乗っていた船。
FGOで宝具を使ったときに乗ってるのもこの船。
EXアタックのときに出てくるカルバリン砲もこの船の大砲。
フランシス・ドレイクの宝具「黄金鹿と嵐の夜(ゴールデン・ワイルドハント)」の「黄金鹿」の方。
今でこそ「ゴールデンハインド」なんてかっこいい名前で呼ばれていますが、元々の名前は「ペリカン」。
世界復讐旅行中のドレイクによって、出資者の貴族の紋章から「ゴールデンハインド」の名前がつけられました。
Fateでは「名前がかっこ悪い」という理由で変えられており、間違って「ペリカン」という名前で呼ぶとキレられます。
ちなみに「ゴールデンハインド」は、正確には「黄金の雌鹿号」という意味です。
世界一周を果たして大量の財宝を積んで持ち帰り、ドレイクがエリザベス1世から「ナイト」の称号を叙任される舞台となったあと、「黄金の鹿号(ゴールデンハインド)」は歴史から消えます。
ドレイクが再び歴史の表舞台に出てくるアルマダの海戦では、イギリス海軍副司令官として軍艦に乗っており、「黄金の鹿号(ゴールデンハインド)」ではありません。
ドレイクが手に入れるまではフランスの船だったので、ドレイクの手から離れたあとも誰かの手に渡って、世界を回っていたのかもしれませんね。
(どこの日本語のサイトを見ても消息不明ということになっていますが、英語版のWikipediaでは、エリザベス1世の命令で長年に渡って展示されたあと、朽ち果てたゴールデンハインドの材木を使って家具などを作り、様々な施設に置かれている。とあります。)
ちなみにアルマダの海戦でドレイクが乗っていた軍艦は、「リベンジ号」。
スペインに殺されかけて復讐をしていたドレイクが、無敵艦隊を相手にするにはぴったりの船ですね。
嵐の夜(ワイルドハント)
ヨーロッパに伝わる伝承。
フランシス・ドレイクの宝具「黄金鹿と嵐の夜(ゴールデン・ワイルドハント)」の「嵐の夜(ワイルドハント)」の方。
亡霊や妖精(特に死と関係があるもの)などが大挙してやってきて、辺りの生物を狩っていくというもの。
狩りの対象には人間も入っており、目にしただけで災いを呼ぶとされているため、とても恐ろしいものとされています。
構成員やリーダーは地域によって様々であり、神であるはずのオーディンがリーダーとされたり、イギリスではアヴァロンから帰ってきた選定の剣を引き抜いた騎士王とされる場合もあります。
(Fate的には剣を持ってる方ではなく、槍を持ってて馬に乗ってて巨乳で黒い方が、ワイルドハントのリーダー(嵐の王)をやってるアーサー王です。)
そして、そのリーダーと噂される人物の中に、フランシス・ドレイクもいます。
海の向こう(冥界)に行って帰ってきたということと、「エル・ドラゴ」と恐れられた海賊のイメージからか、イギリスでは広く信じられています。
「黄金の鹿号(ゴールデンハインド)」に乗って、無数の船と亡霊を召喚して敵を殲滅するフランシス・ドレイクの宝具「黄金鹿と嵐の夜(ゴールデン・ワイルドハント)」は、そんなワイルドハントのリーダーとしての伝説と、「黄金の鹿号(ゴールデンハインド)」、そしてアルマダの海戦で行った「火船作戦」がミックスされたものになっています。
テメロッソ・エル・ドラゴ
ドレイクの海賊行為に苦しめられたスペインがつけた呼び名。
「ドラゴ(もしくはドラコ)」は、ヨーロッパでは悪魔の化身とされる「ドラゴン」を意味します(「エル」は英語の「THE」と同じ)。
史実では「エル・ドラゴ」ですが、Fateでは「テメロッソ・エル・ドラゴ」になっており、「恐怖」という意味の「テメロッソ」が追加されています。
「ドラゴン」と呼ばれた海賊だなんてめちゃくちゃかっこいいですが、「ドレイク」という名前がそもそも「ドラゴン」という意味なので、実は名前を呼んでるだけだったりします。
太陽を落とした女
当時、世界の覇権を握っていたスペインは、植民地を含めた領土のあまりの広さに、必ずどこかでは太陽が昇っていたため、「太陽の沈まぬ国」と呼ばれました。
そんな「太陽の沈まぬ国」の無敵艦隊を撃破し、結果的にスペインを歴史の主役から引きずり下したドレイクは、「太陽を落とした女」と呼ばれます。
(といっても、検索してもFGOの話題しか出てこないので、史実では「太陽を落とした男」とは呼ばれていないと思います)
太陽を落とされたスペインは、のちに世界の覇権をイギリスへと明け渡し、「太陽の沈まぬ国」の名は大英帝国のものとなります。
ドレイクは太陽を落としただけでなく、「太陽の沈まぬ国」の名前まで勝ち取ったとも言えますね。
ドレーク海峡
ドレイクが世界一周に出発した当時、大西洋から太平洋に抜けるには、マゼラン海峡を通り抜けるしかないと信じられていました。
マゼラン海峡は、その名の通り、世界一周をしたマゼランが発見したことからその名前が付けられています。
そして、そのマゼラン海峡のさらに南、フエゴ島を過ぎて南米大陸の最南端、ホーン岬と南極大陸の間にある海峡にも人名が付けられています。
それが、ドレーク海峡。
最初に発見した、フランシス・ドレイクの名前が付けられています。
この海峡は、世界復讐旅行中に遭難したドレイクが、マゼラン海峡を抜けたはずなのに大西洋に戻ってしまったことから発見されました。
実はマゼラン海峡のすぐ南にある大きな島「フエゴ島」を過ぎれば、もうドレーク海峡なんですが、マゼランは気付かなかったようです。
この海峡は、世界で一番幅の広い海峡として知られ、常に荒れている海として有名です。
このドレーク海峡を含む南緯60度の海域は、常に荒れていることから、英語では「Shrieking Sixties」もしくは「Screaming Sixties」、日本語にすると「絶叫する60度」と呼ばれています。
この南緯60度付近には、風や海流を遮るような大きな陸地が存在せず、筒抜けなために常に海が荒れていると言われています。
ちなみに世界で一番幅の広い海峡はドレーク海峡ですが、世界で一番幅の狭い海峡は、実は日本にあります。
香川県の小豆島と前島の間にある「土渕海峡」です。
一番狭いところで、10m以下。
知らなければただの川だと思って通り過ぎそうなほどの狭さです。
ギネスにも登録されており、すぐそばの町役場では横断証明書をもらうことができます。
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フランシス・ドレイク紀行
黄金の鹿号(ゴールデンハインド)のレプリカ
世界一周のあとは消息不明(と、日本人には伝わっているっぽい)な「黄金の鹿号(ゴールデンハインド)」ですが、実はレプリカが存在します。
イギリス国内に2つ存在し、ひとつはドレイクの生まれたデヴォン州にあるブリックハム(ブリクサム)という町に、もうひとつはロンドンのテムズ川にあります。
2つのレプリカは、装飾などの細かい違いはあるようですが、形はほぼ同じなようです。
世界一周をし、スペインの船や領土を襲いまくった船にしては、小さい印象を受けますね。
ブリックハムにある方のレプリカは、テレビ番組のために建造されましたがその後沈没、現在展示されているものは2代目のようです。(上の写真)
見た目だけ再現されているため、航海に出る事はできません。
ロンドンの方は、研究の末に忠実に再現、航海に出る事ができるようになっており、実際に世界各地を回っていたそうです。(といってもスクリューが付いているらしく、帆船ではないようですが)
ドラマの撮影で、日本に来たこともあるとか。
どちらのレプリカも現在は博物館となっており、有料で中を見ることができます。
簡単に見に行けない私たち日本人は、Googleストリートビューで楽しむことにしましょう。
こちらがブリックハムの方(船の上からの視点です)
こちらがロンドンの方です
ちなみにロンドンの方のレプリカの近くには、第二次世界大戦で活躍したイギリス海軍の軽巡洋艦「ベルファスト」も展示されています。
こちらも現在は博物館になっていて、見学が可能です。
めちゃくちゃどうでもいい豆知識
アルマダの海戦で無敵艦隊を破ったあとも、ドレイクは船乗りとして活躍しました。
スペインの輸送船団の情報を知ったドレイクは、ジョン・ホーキンスとともにパナマへ遠征に出かけます。
しかし、チャンスをうかがうために停泊中、ジョン・ホーキンスが赤痢のために死亡します。
そして、後を追うように、ドレイクも赤痢にかかって死亡しました。
最後は錯乱状態だったと言われています。
ドレイクの亡き骸は金属の棺に納められ、海へと流されました。
船乗り見習いから奴隷商人、奴隷商人から私掠船船長、私掠船船長からイギリス海軍副司令官と、人生のほとんどを海の上で過ごしたドレイクにとって相応しい最期だったと言えるでしょう。
ドレイクの棺は、現在でも発見されておらず、数多のダイバーが行方を探しています。
そんなフランシス・ドレイクの棺を、自称フランシス・ドレイクの子孫でトレジャーハンターの「ネイサン・ドレイク」が発見するところから始まるのが、アクションアドベンチャーゲーム「アンチャーテッド」シリーズです。
第一作では、フランシス・ドレイクが残した手掛かりをもとに、「エル・ドラド」を目指すというストーリーになっています。
「PLAYする映画」のキャッチフレーズのとおり、縦横無尽に遺跡の中を飛び回り、謎を解いていくさまは、さながら「インディ・ジョーンズ」です。
セリフも洋画を意識した表現と声優になっているため、ゲーム好きのみならず、映画好きにもオススメのゲームです。
PS4を持っている方は、3本セットのこちらがオススメです。
「いやいや、俺はインディ・ジョーンズじゃなくて海賊になりたいんだよ」
という方はこちら
「アサシンクリード4 ブラックフラッグ」をどうぞ
「アサシンクリード」といえばアサシン教団のアサシンが主人公なので、海賊関係ないじゃんと思われるかもしれませんが、この「アサシンクリード4」に限っては、アサシンのふりをして金をだまし取ろうとする海賊が主人公なので海賊ゲームです。前作までともあまり繋がっていません。
「アサシンクリード」シリーズなので、建物を縦横無尽に飛び回りながらの暗殺はもちろんのこと、フリントロック銃での銃撃、カトラスでの戦闘、船VS船の海戦など、ステルスゲームながら本格的な海賊ゲームとなっています。
マップがとても広いので、船を襲うだけでなく、宝の地図に記されたお宝を探しに行ったり、未発見の場所を探すなど、まさに新天地を求めて旅に出た航海者たちの体験をできるゲームです。
時代的に、登場するのは黒髭やキャプテン・キッド、アン・ボニーとメアリー・リードなど、フランシス・ドレイクよりも後の時代の海賊たちですが、フランシス・ドレイクの装備していた装備品が、主人公の装備として登場します。
ドレイクの装備を探しながら、ドレイクのように世界を回ってみてはいかがでしょうか?
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